スマート水管理で水稲栽培『水田ファーモ』

水稲の水管理を遠隔で行うことができるスマート水管理システム『水田ファーモ』。ISEKIの夢ある農業総合研究所で実際に水田ファーモを活用して水稲栽培にチャレンジしてみました。

スマート水管理で水稲栽培『水田ファーモ』

『水田ファーモ』の概要

水田ファーモは【水位センサ】と【給水ゲート】で構成されます。

【水位センサー】

圃場に設置すると自動で水位を測定します。スマートフォンで水位を確認できるので見回りの回数が減ります。また、理想的な水位が具体的に分かるようになり、農場の色々な方と水管理について共有できるようになります。

水位センサーとアプリが通信しているイメージ画像

【給水ゲート】

スマホで入水・止水管理ができるようになります。さらに、水位センサと組み合わせることで、水位センサの測定値に合わせて入水・止水管理を自動で行うことができます。

アプリを操作して圃場に設置したゲートが開く様子のイメージ画像

水位センサーを設置してみた

① 水位センサを水田に設置

水位センサは設置直後から水位を測定できます。特に田植え後は水を切らさないように管理したいので、田植え直後に設置をしました。

水位センサは水位を測りたい位置に円盤を差し込み杭で固定するだけです。水位センサは太陽光パネルで電源を取得します。コード類は一切ありません。

杭をさすだけで簡単!と思いきや、畦から歩いて行って設置するので田んぼを歩くのに少し苦労しました(笑

水位センサーを圃場に設置しているところ

② 水位センサを水田ファーモアプリに紐づけ

水位センサ本体や梱包箱に書いてあるコードをアプリに入力します。

これで設置は完了です。すぐに設置した圃場の水位が測定されました!

画像をタップすると水位の変化が出てくるので、急激な水位の変化もすぐに分かります。

アプリ画面でのデータの見方を示したイメージ図

給水ゲートを設置してみた

① 給水ゲートを水田に設置

水位センサを設置した後に給水ゲートを設置しました。

ホースを水路に差し込むところのイメージ図
1. ホースを水口に差し込みます
設置の際に給水ゲート本体でホースを挟んでいるところ
2. 給水ゲート本体でホースをはさみます
給水ゲート本体を杭で固定したところ
3. 給水ゲート本体を杭で固定します

② 給水ゲートを水田ファーモアプリに紐づけ

給水ゲート本体や梱包箱に書いてあるコードをアプリに入力します。これで設置は完了です。

③ 給水ゲートの操作

アプリに『開』と『閉」ボタンが出てきました。

<手動給水設定>
『開』を押すとゲートが開いて入水が開始されます。『閉』を押すとゲートが閉じて止水します。

<自動給水設定>
目標水位を決めておくと、水位センサの情報を元に給水ゲートが自動で開閉します。

スマートフォンアプリで入水・止水の操作をする画面のスクリーンショット
スマホで入水・止水ができます

例)目標水位を5cmに設定しておくと・・・
・水位センサの測定値が3cmだった場合、給水ゲートが自動的に開いて入水を開始してくれます。
・水位センサの測定値が7cmだった場合、給水ゲートが自動的に閉じて止水をしてくれます。

水田ファーモについて詳しくは下記動画をご確認ください。

田植え直後の浅水管理と中干しをスマホで確認

田植え後、よくイネの分けつを促進したいので、浅水管理をします。人の手で浅水管理を行うと水を切らさないか常に監視する必要がありますよね。

こんな時水田ファーモを利用すると

〇 管理が楽になりました(^^)

スマホで常に水位が確認できるので、1日に何度も水田の様子を見に行かなくてもよくなりました。水位はおよそ15分おきに更新されるので急激な水の変化もすぐにわかります。

今年の田植え後は水位をスマホで確認しつつ、草刈りに集中することができました。

〇 作業が楽になりました(^^)

給水ゲートが自動的に入水をしてくれるので、水を入れに行く作業が全くなくなりました!

実は今までどれくらいの入水時間が経てばどの程度水が入るか分からなかったので、何度も水を入れる作業をしていました。でも自動給水設定で入水・止水が自動になり、常に水が一定水位になったので、理想的な浅水管理を行うことができました。

水を切らさずに管理で来たので作業工数が減るだけでなく、作物生育にとってもいい効果です!

水位ファーモで計測したデータを表示した画面のスクリーンショット
誤差±1cmで自動で給水・止水を管理

執筆者

井関農機(株)

井関農機(株)

農業機械の開発、製造、販売を行う農業機械総合専業メーカー。1926年創立以来、農業の機械化・近代化に貢献。魅力ある「農業=儲かる農業」の実現に向け「ハード(農業機械)」と「ソフト(営農技術)」の両面からお客さまの営農スタイルに合ったベストソリューションの提供に取り組んでいる。

執筆者

井関農機(株)

井関農機(株)

農業機械の開発、製造、販売を行う農業機械総合専業メーカー。1926年創立以来、農業の機械化・近代化に貢献。魅力ある「農業=儲かる農業」の実現に向け「ハード(農業機械)」と「ソフト(営農技術)」の両面からお客さまの営農スタイルに合ったベストソリューションの提供に取り組んでいる。