実証

2024.01.31更新者:ISEKI

アイガモ日和2023(有機米デザイン+ISEKI)

アイガモ日和2023(有機米デザイン+ISEKI)

アイガモロボ! 今春から販売開始しました!

昨年に引き続き、各市町村との連携事業での実証の様子をレポートします。

 

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概要

テーマ登録日2023.06.03

アイガモロボ販売開始! 今年も各市町村との連携事業での実証の様子をレポートします!

昨年の200か所以上での実証テストを受け、アイガモロボ 今春から販売開始しました!

昨年に引き続き、各市町村との連携事業での様子を中心に実証、稼働の様子をレポートします。


レポート1

最終更新日2023.11.15

@秋田県にかほ市(2年目)(圃場準備~収穫)

概要:

(株)権右衛門、TDK(株)、有機米デザイン(株)、にかほ市との連携協定における、環境保全型スマート農業の取組の一環として行っているアイガモロボの実証も2年目を迎えました。

●圃場準備(4/4)
アイガモロボの安定稼働には圃場の均平水位の確保が重要になります。
圃場準備として、昨年と同様、漏水防止のため畦塗り作業を行いました。
(圃場均平のためレーザー均平作業も行う予定でしたが、天候の影響で今回は実施できませんでした。)

●育苗(播種日:4/23)
今年は昨年から一部テストを行っていた、井関農機で試作した有機JAS適合の有機用育苗培土を用いて育苗を行って頂きました。

品種:サキホコレ
播種量:150g(乾籾)
培土:ヰセキ有機用育苗培土(試験販売品)
灌水量:1L/箱
発芽管理:発芽機使用

播種後24日目(5/17)

 

 

播種後24日目の育苗の様子です。

生育ムラなどもなく順調に育苗できています。ここまで追肥なしで育苗でき、権右衛門様の評価も上々でした。

ただ、田植え予定は10日後(5/27)で現在、草丈は約8cm、葉齢2.3葉でアイガモロボを使用するためには草丈が短い(15cm以上が望ましい)ので追肥を行って頂くことにしました。

 

●代かき後のアイガモロボ投入結果

アイガモロボは代かき後からの投入をお勧めしていますが、代かき後アイガモロボを投入しなかった圃場(上)と投入した圃場(下)を比較してみました。

代かき後からアイガモロボを投入した圃場の雑草は抑制されています。代かき後からのアイガモロボ投入の有効性が確認できました。

 

開発元の有機米デザイン(株)、産地化を目指すにかほ市の担当者、実証にご協力頂いている生産者(株)権右衛門様、と様々な生産者が取り組める一気通貫型の有機栽培技術について情報交換ができました。

これから田植え、そしてアイガモロボによる抑草作業と本格的な実証スタートです。

 

 

●田植え(5/25)、ロボ投入(5/26)

追肥の効果もあり、5/22時点で苗の草丈は14cmになったとのことで田植えは5/25に行うことになりました。

弊社の有機培土については、権右衛門様にこれまでで一番良い苗が育苗できたと評価を頂き、まだ課題はありますが、商品化に向け手ごたえを掴む結果となりました。

田植え後の様子(5/25)

アイガモロボ投入(5/26)

アイガモロボ投入後、アイガモロボの航行軌跡サイトで、航行軌跡を確認しました。順調に稼働できているようです。

このサイトはアイガモロボをご購入頂いた方なら誰でも利用できますので、是非ご活用ください。

航行軌跡表示 (ymd1122.com)

 

●田植え後8日目(6/2)

アイガモロボは順調に稼働しています。

尚、近日、youtubeにて(株)権右衛門様との対談をアップさせて頂きます。ご期待ください!

 

●有機栽培現地研修会(6/2)
実証圃場にて有機栽培現地研修会が開催されました。
秋田県全域より80名ほどの農業関係者が集まり、有機栽培技術の向上に向け研修が行われました。

本年にかほ市では、にかほスマート農業研究会の皆様がアイガモロボやWEEDMANを使用し有機栽培に取り組んでいます。
研修ではISEKIより導入機械のご説明ということで実際にアイガモロボが泳ぐ姿を見学いただくため、本連携で行っている圃場での実機実演となりました。
実機を目の前に、どのようなメカニズムで草を抑えるかご説明を行い、スクリューの構造等注目を集めていました。
また、田んぼの中を動くアイガモロボを見ながら、稼働期間や、実際田んぼで使用する際の運用方法などご質問をいただきました。

また、近隣の圃場にてWEEDMANの実演も行いました。
こちらの圃場はアイガモロボを使用しておらず、WEEDMANにて1回目の除草を行いました。
WEEDMANは縦回転するローターと横回転するレーキで、条間だけでなく株間も除草を行っていく機械です。
こちらも実際に機械除草を行う様子が注目を集めていました。

また、この日生産者の須田様にアイガモロボを使用してみてのコメントを頂きました!

https://youtu.be/lzCYNCnW1jo

 

●ロボ引き上げ後の様子(6/19)
投入から3週間が経ち、6/16にアイガモロボを引き上げました。
ロボの投入により草が抑えられていることが確認できました。
稲もだいぶ起き上がってきています。

 

●収穫(10/08)
10月に入り収穫を行いました。
今年のにかほ地域は夏の豪雨と酷暑に見舞われながらも、無事収穫を迎えることができました。
スマート農業の取り組みとして、収量コンバインを用いて収穫を行いました。


レポート2

最終更新日2023.11.07

@新潟県新潟市(2年目)(圃場準備~まとめ)

概要:

昨年、新潟市と連携協定を結び環境保全型農業の普及に向けた取組を実施しました。2023年は昨年の実証に続き、新潟市内の生産者様とアイガモロボ実証を行っています。

●播種①(4/12)
今年一回目の新潟市訪問でした。実証の始まりにあたりあらためてのご挨拶に伺います。
播種に立ち合い、微力ながらお手伝いさせていただきました。地域の方などもお手伝いに来ておりとても賑やかな様子です。

●播種②(4/23)
今日も朝から新幹線に飛び乗り新潟へ…
別の生産者様の播種立ち合い、先日播種をした方の苗の様子を見てきました。
家族、親戚総出の播種。春の一大イベントといった様子で良いものだなあと感じました。
苗はしっかり目が出ており青々としていました。外では圃場の耕耘中、春のお忙しい所ではありますが、いろいろ作業進捗などお話を伺うことができました。ありがとうございます。

●投入①(5/9)
GWが明け、除草剤の減農薬栽培を行う生産者様の圃場でロボ投入を行います。除草剤を使用しないところ以外は一般栽培の圃場で、GW明けの一足早い投入となりました。
昨年からの変更点として、本代掻きの前からロボを投入し、より初期のうちから抑草効果を狙う試みを実施します。まだ苗は植わっていませんが、水を張ってもらい投入をしました。

●投入②(5/22)
自然栽培の圃場の投入に伺いました。自然栽培米は有機肥料で育苗するため、慣行栽培後の最後に植え付けが始まります。
代掻きの後からロボは投入し、土面のトロトロ具合を維持し雑草の発生を軽減します。

●様子伺い(6/1)
ロボは順調に稼働しており、水の濁りも上手く発生しています。水面下には徐々に動き出している雑草も見受けられました。

●引き上げ(6/30)

イネが生長し引き上げのタイミングとなりました。昨年から引き続きロボを使用しており、生産者の皆さま各々稼働のコツを掴んで昨年よりうまく稼働できたのではという感想でした。引き上げたばかりということでまだ、稼働状態について評価は難しいですが、イネの生育については例年通りもしくは春先天気が良かったということもあり若干進んでいるとのことでした。
昨年と同様、どうしてもロボだけでは抑えきれない草についてはこれから除草機をいれ対処していく予定です。

●出穂期(8/7)
お盆休み前に新潟に入り、様子を見てきました。各圃場出穂を迎えています。今年は全国的に記録的猛暑が続いており渇水が心配されます。今の所、渇水の問題は出ていないということでした。
雑草の状況としては、ロボ+除草機である程度の範囲に草を抑えられているようでした。各圃場ロボの後に2~3回除草機を入れています。(南区K氏圃場はロボ+除草剤体系)


北区H氏


北区M氏


秋葉区S氏 ここの圃場はヒエが生えてきています。今後、改善策・状況を精査していく必要があります。


南区K氏

また、江南区の圃場ではロボ区の方が生育が良いようで、ロボ区で初期のイネドロオイムシ被害が軽減されているのではないかというお話がありました。
江南区T氏 画面左:ロボ 画面右:対象区

●刈取り後 (10/15)

刈取りが一段落した10月半ばに新潟に入り聞き取りを実施しました。訪問先々、話題は例年にない猛暑の影響についてでした。早植えのコシヒカリは影響が大きく、1等米比率の低下が見られており経営に影響が出ているようです。訪問時生産者様に加え、新潟市の担当者様とお話する機会があり、ロボを含め、新しい技術への関心が高まっていると感じます。


 

●まとめ

・アイガモロボ+除草機により昨年より雑草を抑えることが出来ました。完全に抑草することは難しいため、アイガモロボに加え、圃場のトロトロ層の形成や深水など付随した技術も重要です。

・収量については増加する傾向の圃場もあり、アイガモロボの撹拌効果が作物生育に何らかの好影響を与えた可能性が考えられます。

・2023~2024年の取組により様々な知見を得ることができ、それらを生産者、行政の方々と共有・議論することが出来ました。2025年度の取組みも既に進行しており、また新たな境地を見出していきたいと思います!

 


レポート3

最終更新日2023.11.08

@茨城県つくばみらい市(2年目)(圃場準備~収穫)

夢総研では今年も引き続き有機水稲栽培にチャレンジ。

雑草対策はもちろんアイガモロボ!

ということで夢総研でのアイガモロボの稼働の様子、効果などなど、

順次レポートしていきます!

 

●圃場面積

昨年アイガモロボを入れた2枚の圃場で今年もロボを動かします。

面積はそれぞれ43aと37aで、推奨面積(30~70a)の範囲内です。

 

●事前準備

アイガモロボをよく動かすためには圃場の均平・水位・苗丈が重要です。

夢総研でも事前の準備をしっかりと行ってきました。

 

・反転耕起(1月)

圃場にワラ残渣が多く残っているとアイガモロボが座礁しやすくなるため、ワラ残渣は少ない方が好ましいです。

表層のワラを埋め込むために、スガノのリバーシブルプラウを使って反転耕起を行いました。

ワラの埋め込みだけでなく、乾土効果にも期待です!

 

・水尻側踏み固め(1月)

 

夢総研の圃場では昨年、水管理に悩まされておりました。

水尻側に穴空きまくり、水漏れまくり…。

 

アイガモロボを動かすためには水位の確保が必須です。

水をしっかり保持できる圃場にすべく、穴あき対策として水尻側をトラクタで何回も往復し、踏み固めてみました!

これでザリガニにも穴はあけられまい・・・!

 

・均平(2月)

アイガモロボを座礁させないために重要なのが圃場の均平。レーザーレベラーを使って均平を行いました。

 

・畦塗(3月)

ザリガニの穴対策と水位確保のため畦塗りもしっかりと!2度塗りで行っていきます。

コバシの畔塗機できっちり塗ることができました。

 

●育苗

品種:コシヒカリ

播種日:4/18 (23日苗) 播種量:130g(乾籾)

昨年は成苗・稚苗を分けて移植し生育を比較しましたが、

大差がなかったことから今年は稚苗のみで栽培します。

苗の丈は15-16cm。アイガモロボのために水位しっかり入れられそうです。

 

●代かき後にアイガモロボ投入

・粗代かき(4/28)

粗代かきの後にアイガモロボを投入しました。

本代かきまでの10日間ほど動き回ってもらい、軌跡を確認します。

軌跡確認サイトで見てみると、圃場の1枚は水位がしっかりある日はまんべんなく動けている様子ですが、もう1枚は圃場の水尻側で引っかかる日が多かったです。

  

本代かきでさらに凹凸を少なくする必要がありそうです。

 

●本代かき(5/9) ・田植え(5/11) ・アイガモロボ投入(5/12)

アイガモロボを一度引揚げ、本代かき、田植えを行いました。

その翌日にアイガモロボを再投入。水位は7-8cmで動き始めは順調そう。

ここから3週間、たくさん動き回ってくれますように!

 

●アイガモロボ稼働中の様子

アイガモロボ投入後は毎日順調に動いているかをチェック。

圃場に行かなくとも軌跡確認サイトで確認しちゃいます。

ちなみにロボの航行経路は圃場に対してナナメ方向に走るようにしてみました。

こうすることで、強風で畔にうちつけられた際、GPSのずれで畔際にぶつかってしまう際に脱出がしやすくなります。

 

2枚とも順調に動いていそうでよかった^_^

 

・にごり具合について

ロボ投入から数日後の圃場の様子です。

ロボは順調に動いていますが、水のにごり具合がいまいち弱めです。

投入した時より水位もいれていたので、ロボのスクリューと土面の距離が開き、スクリューの水流が土に届かず、にごりが弱くなっていたようです。

そこでスクリュー位置を少し落としてみました!

少し走らせるとにごりもよく出ていたのでこれで様子を見てみます。

時間をあけてもう一度圃場を見てみるとちゃんとにごり広がっていました。

このように、アイガモロボは動かすだけではなく、しっかり「にごらせる」ということが重要です!

 

~POINT!~

アイガモロボで雑草を抑えるためには・・・

①アイガモロボをしっかり動かす

・圃場の均平、十分な水位をとり、アイガモロボが座礁することなく泳げるようにする。

②水をしっかりにごらせる

・アイガモロボのスクリューと土面の距離は手のひらを寝かせた状態で1枚入る程度が目安。

・上記の距離が離れているとにごりが出にくいので、スクリューの高さ調節を行う。

 

 

 

●ロボ引きあげ(6/1)

アイガモロボを入れてからちょうど3週間。

稲の背丈が30cmを超えてきたのでアイガモロボを引き上げました。

引き上げ時の圃場のにごり具合はこんな感じ。

しっかりにごってます!

雑草も現段階ではひとつも見当たらないほどきれいです。

引き続き、抑草状況追っていきます!

 

●田植え1か月後

こちらはロボ引揚げ後1週間ちょっと、田植えから1か月後の様子です。

今のところ雑草らしきものは全くといっていいほど見当たりません。

ロボを引き上げた後も深水を続けていた影響か、稲の分けつが少なめになっていました。

この後あわてて水を抜き浅水にして、もう少し茎数を増やしてから中干しを開始しました。

分けつ確保のためには、ロボ引き上げ後すぐに浅水管理に切り替える必要がありそうです。

 

~アイガモロボ使用のPOINT!~

・分けつの確保のため、引き上げ後はすみやかに浅水管理に切り替える

●田植え2か月後(幼穂形成期)

7月頭ごろ。暑さが日ごとに増していく中、夢総研の稲は幼穂形成期を迎えました。

中干しを終えた後も雑草は生えてこず、今のところ順調に抑草できています♪

ここまでくれば稲の勢力も増しており、雑草に負けるようなことはないでしょう。

夢総研の圃場では、アイガモロボの抑草効果はばっちりのようです。

 

●出穂期

7月末ごろ、出穂期を迎えました。

収穫まであと1か月ちょっと。

このまま雑草にも暑さにも耐え、無事収穫を迎えられますように!

 

●収穫

まだまだ猛暑日の続く9月頭、ついに収穫期を迎えました。

 

アイガモロボを動かしたほ場では収量調査を行っていきます。

 

 

調査後、HJコンバインで刈取ました。部分的に倒伏も起きていましたが、さすがはHJコンバイン。悠々と刈りこなしていきます。

 

アイガモほ場はついに最後まで目立った雑草は生えず、収穫作業もスムーズに行えました。

 

そして気になる収量は・・542kg/10aという結果に。反当り9俵で、慣行ほ場と同等の収量を達成することができました。

 

最後に今年のアイガモロボ有機圃場のまとめを記します。

 

~アイガモロボ有機ほ場 まとめ~

◎雑草はしっかり抑えられた。(例年の頻出雑草:ヒエ、ホタルイ)

⇒ほ場の均平や水位の管理を徹底したこと、稲の生育に合わせて水位とスクリュー位置を調整し、常ににごりが出るようにしていたことでアイガモロボの機能を発揮できたと考えられる。

◎生育も良好、収量は慣行ほ場と同等に。

⇒ロボ引き上げ後は分けつが少な目だったが、その後中干しまでの期間は浅水に切り替え茎数を確保したことにより収量への影響は出なかったと考えられる。

 

夢総研ではアイガモロボを使うことで除草機を使わずに雑草を抑え、慣行同等の収量をとることができました。

皆さんも、是非この成功例をご参考にアイガモロボで無農薬・有機水稲にチャレンジしてみませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 


レポート4

最終更新日2023.11.07

@群馬県伊勢崎市(アイガモロボ投入~まとめ)

●様子見(6/19)
群馬県でアイガモロボの稼働が始まっており、その様子見をしてきました。
投入からおよそ4日たったところでした。水位は稼働に充分くらいあり、ロボの稼働自体も順調に思いました。
濁りが弱く見えたため、スクリュー位置を調整してきました。

●ロボ引揚げ後(7/28)
ロボ引揚げから1カ月が経ち、中干し期間中でした。調査に伺った際、圃場主様とお会いできたので色々お話を伺うことができました。
長らく慣行栽培をされており、ロボを知ってトライしたいという方でした。
ロボならではの栽培(水位の維持、均平、雑草の生え具合)に戸惑いもあったようです。圃場は雑草の繁茂が見られましたが、水位が保たれ、稼働がスムーズであったであろうエリアでは雑草を抑えられているように見えました。

●雑草量調査
圃場内の3地点の雑草をサンプリングし雑草量を調査しました。
ロボ引揚げ後、生産者の方が局所的に除草剤を2回散布しています。サンプリング箇所は除草剤の影響が小さいと思われる3地点をサンプリングしています。地点によって発生具合に差があり一概には言えませんが、圃場全体としての数値は20g/㎡に抑えられており、有機栽培における幼穂形成期ごろ雑草量の水準はクリアしているのではと考えられます。

●収穫前調査(9/22)
7月下旬に聞き取りの際には、例年10月上に刈取り予定と伺っていますが、例年に輪をかけて猛暑続きのため早まるのではと思います。周辺圃場は刈り始めている様子はありませんが、井関農機のあるつくばみらい市では1週程度前倒しになっていると感じます。早めに来てイネが植わっている様子を写真におさめにきました。雑草はコナギ類が発生していますが、概ね50g/㎡の範囲には収まっているのではと思います。局所的にまとまって発生している箇所(写真3枚目)も多々見受けられ、これは大体欠株になっているところです。アイガモロボ投入以外は慣行栽培ということもあり、苗丈や深水の関係で株が細くなりやすく欠株が発生していると考えられます。また疎植で、欠株の影響がより大きいと思います。写真4枚目はコナギの種子です。割ってみると中に50粒ほどまとまっており、一度雑草が増えてしまうと指数関数的に増えてしまうと思われます。生育については達観ですが、隣の慣行圃場と大きく異なるとは感じませんでした。



●まとめ
収量は前年7俵/10aに対し今年5俵/10aとなりました。前年に対して減収した要因として、アイガモロボ投入のため深水管理したことにより分げつが弱くなったことが影響したと考えられます。9月末時点で分げつ数は30本/株前後(栽植密度:37株/坪)となり、疎植植えとしてはやや少ない傾向がみられました。
アイガモロボ抑草具合については及第点だと考えています。収量、抑草効果両立のためには、植付株数を増やす、深水に負けない大きめの苗を植えるなどの方法が有効なのではと思われます。


レポート5

最終更新日2023.08.22

@島根県浜田市 アイガモロボと水田除草機の合わせ技

概要:
島根県と浜田市、井関農機は「有機米の産地づくりに関する連携協定」を締結しています。
今年は、有機米の産地化を目指している浜田市弥栄地区で、アイガモロボを中心にして補完的に水田除草機を併用する抑草実証を行います。
水田除草機を入れる回数を必要最低限にすることで、省力化を図ることを目標にしています。

●5月23日 中国山地の山懐にある弥栄地区も春を迎えました。今年は5集落の生産者圃場で実証を行います。抑草効果をより高めることを目的として、代掻き直後にアイガモロボを投入しました。
アイガモロボを順調に動かすためには、圃場均平が大事です。弥栄地区は中山間地で小区画圃場が多いため、レーザーレベラーを使うのは難しいです。
代掻き後にロボを入れた目的はもう一つあります。土が柔らかいうちにロボを動かすことで、圃場を少しでも均平にすることにつなげる効果も狙いました。

●6月1日 弥栄地区の田植も無事終了。アイガモロボも順調に泳いでいます。田植後1週間を迎え、水田除草機・WEEDMANをアイガモロボ圃場に入れることにしました。
WEEDMANは条間と同時に株間も除草出来るのが特徴です。
まだ、雑草はほとんど見えていませんが、雑草は暴れる前の小さいうちに先手先手で退治するのが大事です。WEEDMANで雑草をどんどん埋め込んでいきます。

アイガモロボを使っていない圃場だと、田植後1ヶ月までに3回程度WEEDMANで作業するのが一般的です。アイガモロボと組合せることで、WEEDMANを使う回数をどれだけ減らせるのかを確認していきます。

●6月19日 圃場にアイガモロボを入れてから約3週間経過。引上げ時期を迎えました。WEEDMANを1回使った圃場では、雑草の発生がリセットされた状態でアイガモロボが動いていたため、雑草は少なく抑えられており、このままアイガモロボを引き上げることにしました。抑草につながるトロトロ層を多く残っているため、今後も草を抑えてくれることが期待できます。アイガモロボが無い状態だと、通常この時期までに3回程度水田除草機を使用しますが、この圃場ではWEEDMANを使った回数も1回だけとなっており、狙った結果が出せていると思います。

 

また、隣の圃場は、アイガモロボだけ動かして水田除草機を一切使わずにアイガモロボの引上げ時期を迎えました。この圃場は全体の7~8割程度はしっかり抑草できており、残りの2~3割程度でやや気になる雑草の量となっていました。そこで、雑草が生えている部分だけピンポイントでWEEDMANを入れました。抑草出来ていた部分はアイガモロボの効果によるものと考えられ、結果としてWEEDMANでの作業面積を減らすことにつながりました。

↑青く色塗りした部分だけWEEDMANを使用。

↑苗をなるべく傷めないように、一方方向で除草作業。


レポート6

最終更新日2023.07.06

@福島県会津美里 (圃場準備~アイガモロボ投入~水田除草機)

概要:
福島県会津美里町でイタリア出身のタレントでモデルのパンツェッタ・ジローラモさんが、アイガモロボを中心とした有機米栽培に取り組みます!自然農法無の会さんとISEKIがジローラモさんの有機米栽培をサポートします。

●圃場準備(5/18)
アイガモロボを効率よく活用するには圃場の均平がとても大切です!
そこでレーザーレベラで圃場の凹凸を均していきます。

今回使用した機械はNT435とLG-2500になります。
中型トラクタでも使えるレーザーレベラとして好評です!
早速、基地局を準備して・・・

あとはガンガン走っていきます!
セオリー通り3回ほど高さを調整しながら仕上げていきます。

無事きれいに仕上がりました!
だいたい反当り1時間の能率で作業できました。

アイガモロボが無事に動いてくれますように!

●田植・アイガモロボ投入(5/31)
5/31に田植えを行いました。
PRJ8オペレスタ直進アシスト仕様で田植えしていきます。
この日はジローラモさんも現地で一緒に作業を行いました。

まずは苗つみから行います。
「まるでピッツァみたいだね!」といいながらジローラモさんもどんどん苗を積んでいきます。

積み終わり次第早速田植開始!
ヰセキ東北指導のもと、ジローラモさんが田植作業を行いました。
オペレスタの直進アシストによりハンドル操作なしで田植機が動く様子にとても感動されていました!

田植が終わり次第入水し、アイガモロボ投入の投入を行いました。
アイガモロボ稼働には最低5㎝の水位が必要です。
動き始めは水位が足りず苦戦しましたが、少し時間を置いて水位確保後、
無事アイガモロボ投入を行うことができました!

※試験用カバーを装着しています。

●機械除草(6/27)
アイガモロボを引きあげて約10日が立ちました。
圃場の様子を見てみると・・・、株間に雑草が!

無の会さんにて手押し除草機を入れてくれたために条間はきれいですが、株間には残ってしまったようです。
そこで今回は株間も除草ができるWEEDMANにて除草を行っていきます。

WEEDMANは作業深さの調整が非常に大切です。稲と雑草の大きさの差を利用して、稲の根には影響が少ないが、小さい雑草が主に根を張る表層を狙って作業すると株間もきれいに除草することができます。

今回は狙い通りに草を浮かせることができました。

しかし、中にはWEEDMANの適応範囲より雑草が大きくなってしまい残ってしまったものも。。。
参考までに残ってしまった雑草と抜けた雑草を比べてみるとびっくり!

草丈はほぼ一緒なのに根の長さが全然違っていました。
恐るべき雑草の成長速度・・・!
適期除草の大切さが大いに実感できますね!


レポート7

最終更新日2023.11.01

@山梨県北杜市(1年目) (圃場準備~アイガモロボ投入~調査)

概要:
北杜市と梨北農業協同組合、井関農機は「オーガニックビレッジに関する連携協定」を締結しました。
今年は、アイガモロボによる抑草実証を行います。
圃場①(旧須玉町)6月25日田植、28日アイガモロボの投入
圃場②(旧武川町)6月15日田植、21日アイガモロボの投入

6月29日
投入したアイガモロボの稼働状況の確認と水田ファーモの設置のため、北杜市の圃場①と②へ。
圃場①
田植後5日目、アイガモロボ稼働2日目です。
田植から時間がたっていますが、アイガモロボのお陰で水も濁っており、抑草効果は順調です。

28日に近所の水田から移動して来た後、スタックすることなく泳いでいる事が、軌跡の履歴からも分かります。

今回は「水田ファーモ」という機械の内、田んぼの水位がリアルタイムでスマホやPCから確認出来る「水位センサー」と取水を自動開閉で調節して丁度いい所をキープしてくれる「給水ゲート」の仮設置をしました。
アイガモロボが土から濁りをしっかり巻き上げ、同時に快調に泳ぎ続けるために浅い所でも水位5cmを維持するのにちょうどいいIoTデバイスなのです!

少し分かりにくい写真ですが、アイガモロボを設置している田んぼの上にあるU字溝用水路から、通常木板を外して取水をするところを、同じ形状の木板に塩ビ管がちょうど合う穴を開けてはめ込み、設置しました。
これにより下部にある「給水ゲート」の水門で挟み込むことで止水し、給水するときは水門が開く、これをアプリによって維持したい希望の水位を簡単に設定し、「水位センサー」で計測した水位に基づいて自動で開閉するという仕組みです。

圃場②

田植後15日目、アイガモロボ稼働9日目です。
軌跡設定のずれからこの日の航行は偏っていたため、軌跡を修正して無事全体を航行するようなりました。

こちらの取水口はホースが設置できるか不安の大きい形状でしたが、ちょうど塩ビ管のサイズが合い、いい形で仮設置することが出来ました。

こちらは小学5年生が田植などの稲作の1年を通した過程を学ぶのに使用されている田んぼで、その一環のプログラミング教室用のアイガモロボのコガモ(有機米デザイン(株)製)も泳いでいました。
暑いですが晴れていて、設置した2か所ともお世辞抜きで景色が綺麗だなぁと思う1日でした。

7月10日
アイガモロボを使用して下さっている数軒の農家の皆様へ、市役所の方とお話を聞きに伺いました。

有機米づくりに取り組む農家さんは北杜市内全域にいらっしゃいます。この時期はアイガモロボの稼働は終わりかけのタイミングです。
本年度、市役所がより一層の推進をされていて、5台のアイガモロボが共有される形で、10名の生産者(+小学校1校)の方と18筆の水田で泳ぎました。
こちら↓は5/24田植(ポット苗)で、直後から1か月、2農家さん3圃場で1台を共有して抑草した田んぼです。
 
今までの実証では得られなかった、「1台のアイガモロボの複数圃場での共有」をしていただきました。人力の除草器具での除草に入られただけでこれまで抑えられたとのことで、当の農家さんにも効果を実感していただけました。


↑の2つの田んぼについて農家さんによると「アイガモロボを泳がせた左の田んぼの方が右に比べて葉色が濃く、生育がいい気がする」とのことで、今後の生育、収量についても追っていきたい所です。

こちら↓は6/4田植で、3日後から2週間目まで、もう1軒の農家さんと1台を共有して抑草した田んぼです。
 
長く有機農業を続けている田んぼで、都合2週間しか入れられなかったのですが、合わせてチェーン除草も行ったという事で、初期雑草は抑えられていました。「田んぼの均平と濁りを良くするために代かきを念入りに行った」とのことでした。
こちら↓は5/20田植(密苗を少し薄播きにした苗)で、直後から約3週間後まで、今回の実証で最も大きい2圃場で1台を共有して抑草した田んぼです。

慣行農法の経験をベースに初めて有機に取り組まれる農家さん、そして初めて有機に取り組む水田です。水が冷たく、地域的には少し早い田植だったので、もう少し長くロボを動かせれば理想的でしたが、合わせて乗用除草も行ったという事で、初期雑草はまずまず抑えられていました。土を良くするために色々な菌の活用にも積極的に取り組まれているとのことで、今後の良い影響も期待しています。


↑のコオイムシやホウネンエビのような「ずいぶん見なくなった」と言われるような一部の農薬や環境変化に敏感な生き物が戻ってきて、よく見られるのも有機栽培に取り組んでいる田んぼの魅力の一つです。
アイガモロボの使い方をさらに進化させていけると感じた、農家さんへの現地聞き取り調査でした。

7月18日
訳あって今週もアイガモロボ使用後の田んぼの様子の確認をする機会がありました。
こちら↓は6/25田植で、直後から3週間、2圃場で1台を共有して抑草した田んぼです。
 
ロボ引き上げ2日後くらいでしたが濁りが残っていて、雑草もわずかに確認できる程度でした。今後の生育、収量を追ってみないとわかりませんが、稲が太って地面の影が大きく濃くなる前の段階でほとんど草が見えないというのが、アイガモロボのよく働いている水田の特徴です。
以前から有機農業に取り組まれる方が多い地域で、農家の皆さんのノウハウとアドバイスも非常に勉強になります。市役所の方の取りまとめも大いに参考にさせていただき、アイガモロボの更なる効果拡大を図っていきたいと感じる現地確認でした。

9月19日
そろそろ北杜市の有機水稲も収穫期に入るので、その前に実り具合と立ち姿、雑草がどれだけ抑えられているか市役所の方と確認に行きました。


今年北杜市では18の水田で5台のアイガモロボが稼働しました。全体的に見れば、ヒエはほとんど見ないというほど抑えられました。
しかし、雑草対策が十分に出来なかった又は効かなかった一部の田んぼではクログワイ、ホタルイ、オモダカ、コナギ、シズイなどの種類の雑草が生え、収量面で苦戦しました。

コナギ

ホタルイ(植えなかった場所)
収量はどれだけ雑草に栄養を取られてしまうかで大きく左右されます。上手くいった水田はアイガモロボがしっかりと濁らせた田んぼ、もしくは他の人がロボを使用していて田植後ロボを入れるまで期間が空く場合でも、チェーン除草を2日おきに行う、代掻きを3回行うなどして、初期の雑草対策に抜かりのなかった圃場でした。逆にロボが入るまで時間が空く中で水を濁らせなかった田では雑草が繁茂してしまい、前回の生育調査とも良く一致していました。

10月26日
今年、アイガモロボを使用した農家の皆様を中心に、北杜市役所の担当者の方たちと、今年の運航について反省会を行いました。

当社からは今年の北杜市内でのアイガモロボの運航状況をはじめとした資料をお配りしてそれに基づき、まずアイガモロボを活用した有機水稲栽培における1年間の雑草の発生抑制手段の紹介、ヒエやコナギなどに代表される水田雑草の種類ごとの説明と対策をお話ししました。生産者からはそれぞれの投入圃場の詳細の報告や、観察や代かきの技術の大切さ、市役所からは秋耕の重要性について声が上がりました。



次に、有機水稲と有機大豆の輪作の実証事例と提案について行ったところ、すでに有機で麦・大豆・米を2年3作で育てている農家さんが雑草の低下や作物の収量増を実感していることをご紹介下さり、さらに水田で大豆を作ることのメリットとして、今夏の日照り中に水を入れられて収量を確保できたこともお伝え頂きました。圃場内の作業や収穫後の調整など技術・経営的にもレベルの高い、進んだ取り組みだと感じました。

続いて、他地域の事例、上手く活用できたお客様の取り組み紹介を行いました。当然、地域によって気候、圃場の環境や農業を取り巻く状況は様々ですが、北杜市も全国に紹介できる進んだ部分があるので、実証をこれまで以上に深めていきたいと考えています。

質疑応答と話し合いの時間では、かなり本質を突いた質問を頂きました。それがきっかけで農家の皆様と活発な議論が生まれ、当社としても大変収穫がありました。
結局予想を超えて、全体で約1時間半の話し合いになりました。市役所の方からも、「最初に進んだ取り組みを行うのは色々と困難も伴いますが、有効で必要な支援を順次進めていくことを考えていますので、頑張っていきましょう」という趣旨のお話を頂きました。
来年は実際、北杜市での運行台数も大幅に増えます。非常にモチベーションの上がる会議で、運航に向けて最善の準備が出来るよう当社としても頑張っていきますので、改めてよろしく願いします。


レポート8

最終更新日2023.09.26

@北海道 寒冷地実証(アイガモロボ投入~ほ場様子~調査)

概要:

今年春より販売しましたアイガモロボが北海道の栽培体系にも導入できるのか18か所で実証を行っています。

北海道の栽培体系での懸念事項として下記項目について調査を行っていきます。

①水温・地温が低い地域にて深水管理による生育の遅れや分げつ数に影響を与えないか。

②ポット苗への適応性について、苗抜けおよび転び苗が発生しないのか。

 

〇代かき後ほ場へのアイガモロボ投入 (5/15~5/20)

今回実証していただくお客様にアイガモロボを使用していただく為、ほ場条件を事前にお伝えし代かき後のほ場へアイガモロボ投入を行いました。

アイガモロボを投入に行った際、2点ほど課題がありました。

①北海道の水稲栽培体系では基本浅水管理が推奨されています。そのため、お客様に深水にしてもらうように依頼しましたが最大水深で約5cmであったため水深5cm未満のエリアではアイガモロボがほとんど動けませんでした。

②ほ場の均平が不完全かつ風の強い場所が多いことに加え、水深が浅かったためアイガモロボの推進力が風に劣り動けないことがありました。

どちらも水深を深くすることで改善できましたが、田植え後ほ場投入での検討課題となりました。

 

〇田植え後ほ場投入後のアイガモロボ様子確認 (5/20~5/26、6/19~6/23)

田植え後に投入しているほ場の様子確認およびお客様に聞き取り調査を行いました。

本来であれば田植え直後または翌日にアイガモロボを投入していただくのですが、今回はお客様に投入タイミングを決めていただきました。そのため田植えから2日後~1週間後に投入された方が多かったです。

投入を遅らせた理由として本実証での懸念点である初期生育の遅れやポット苗での苗抜け等の影響を気にされていた意見が多かったです。

実際に使用して分かったことが3点ありました。

①深水管理による成長遅れはあまり感じられないが、稲が徒長気味に成長したという意見が多かったこと。

②田植え2日後での投入ではポット苗の転び苗や苗抜けの発生はしなかったこと。

③苗の初期活着を優先してアイガモロボの投入を遅らせてしまうとその間に雑草が発生し、ほ場によってはアイガモロボの高さ調整を適正に行ってもにごりづらい環境になったこと。

 

ポット苗の転び苗や苗抜けに関しては田植え2日後での投入で発生しなかったため、田植え翌日までにアイガモロボを投入しても心配ないと思われます。

今後の稲の生育を確認しながら、稲の徒長気味に成長したことによる収量等の影響について確認していきます。

 

〇生育調査および雑草量調査 (6/29~7/1)

ほ場の様子確認と合わせて生育調査および雑草量調査を行いました。

生育調査は調査区を設けていないので今回は無作為に2カ所選定し10株分の調査を行いました。

雑草量調査は(条間)33cm×30cm四方の枠内に生えている雑草を抜取り、雑草を乾燥させた重量を計測する手法にて行いました。

【道央エリア】(左)アイガモロボ実証区  (右)対照区

表1 調査結果

※旭川対照区はアイガモ農法
※投入期間は田植え日からロボ引上げまでの期間
※生育調査結果(草丈・茎数・葉色値)は20株の測定平均データ

 

調査結果を見る限りでは深水管理による生育差はあまり感じられませんでした。むしろ蘭越地区のように慣行栽培に比べて茎数が1.5倍ほど増えるといった結果となりました。

雑草量調査に関して当別地区では除草回数が減少しながら雑草量も約5分の1程度に抑えられておりアイガモロボの抑草効果を確認できました。

旭川地区、北竜地区では対照区より多い結果となりました。北竜地区ではお客様に確認したところ対照区は代かきを2回行ったのに対して実証区は1回のみであったため同一条件ではなかったとのことで、「もし同一条件で行っていれば実証区の雑草量はさらに少ない結果になったのではないか。」との見解をいただきました。


レポート9

最終更新日2023.08.24

@愛媛県西条市(圃場準備~アイガモロボ投入~水田除草機)

概要:愛媛県西条市は石鎚山のふもとにある、自然豊かな街です。西条市内には、「うちぬき」と呼ばれる地下水の自噴井が広範囲に存在し、「おいしい水・安全な水」の街としても知られています。この水の都・西条市で、水も環境も大切にした「オーガニックな米作り」をNPO法人きずな様・川根集落営農組合様とともに、取り組むことにしました。

●圃場準備 5月5日

アイガモロボをムラなく稼働させるためには、田植前に土の高さを均一にする必要があります。5月5日にレーザーレベラーで、圃場均平作業を行いました。実演会の形で20名近くの方々にレーザーレベラーの作業をご覧いただきました。今回使用したレーザーレベラーは、四国で多い小区画圃場に適した小型のレーザーレベラーです。レーザーレベラーは、70馬力クラスの大きなトラクタでないと作業できないイメージがありますが、このトラクタは36馬力のホイルトラクタに装着しました。これまでレーザーレベラーは一回もかけていない圃場だったので、高低差がある場所も出ていましたが、レベラー作業で順調に圃場均平を取ることができました。

●アイガモロボ投入 6月10日

田植も無事終了し、アイガモロボを投入することにしました。この日は、アイガモロボが愛媛県内で初めて試験導入されることもあり、多くの方にお集まりいただき、テレビ局にも取材していただきました。関係する人々が注目するなか、アイガモロボは無事に泳ぎだしました。レーザーレベラーで圃場の均平を取っていたことで、座礁することなく、順調な泳ぎです。※取材のため、試験用カバーを装着しています。↑機械説明をテレビ局が取材


レポート10

最終更新日2023.11.15

@青森県黒石市(アイガモロボ投入~収穫結果)

青森県黒石市では、黒石市、井関農機、ヰセキ東北の3者で、有機農産物の産地づくりに向けた、黒石市がブランド化を推進する「ムツニシキ」で有機栽培の実証実験を行っています。

●連携協定式(3/20)
黒石市、井関農機、ヰセキ東北の3者で連携協定締結式を実施しました。

 

●代かき後のアイガモロボ投入(5/23)
アイガモロボの本格稼働は田植後から開始となりますが、代かき~田植えの間に投入し土壌がやわらかいうちに稼働させます。これにより、代かき時のにごりの維持や、にごりやすい柔らかな土壌状態を保つことに繋がります。代かき後の入水ができた圃場から投入を行いました。

 

●田植・アイガモロボ投入イベント(5/25)
田植は、スマート農機活用として、ロボット田植機で作業を行いました。
田植後に高樋市長、生産者の皆様と共にアイガモロボの投入を行いました。

圃場には水田ファーモも設置し、アイガモロボが稼働できる水位を保てるようにチェックしていきます。

 

●引き上げ時の様子(6/16)
少し草丈は短めですが、引き上げ目安の3週間となったのでアイガモロボを引き上げました。
少し草が発生している場所もありましたが、アイガモロボの稼働により全体の雑草発生は抑えられていました。
圃場均平が取れておらずアイガモロボがあまり動けていなかった場所では草の発生がみられ、圃場均平と安定稼働の重要性を改めて感じました。

 

●雑草調査(7/25)
幼穂形成期より少し遅れたタイミングとなりましたが、雑草調査を実施しました。
生産者より、アイガモロボ稼働圃場では稼働していない圃場に比べWEEDMANでの除草回数が1回減ったとのコメントもいただきました。

 

●今年の結果
例年に比べ酷暑・少雨となった青森県では、全体的に米の品質低下や収量減がみられたとのことですが、アイガモロボを使用した生産者では、有機圃場で昨年より収量が増えた生産者もいらっしゃいました。
また、アイガモロボを使用したことによる抑草効果についても実感していただけました。


レポート11

最終更新日2024.01.23

@研究機関と連携実証!アイガモロボで機械除草回数 58%減!

井関農機では、農研機構、有機米デザイン株式会社、東京農工大学と連携しましてアイガモロボの抑草効果を確認する試験を全国36か所で行いました。
その結果をご紹介いたします!

○雑草の発生量について

アイガモロボを導入したほ場での用水形成期における雑草量を調査いたしました。その結果、全体の平均の推定雑草乾物重は16.6g/m²となりました。この値は水稲の収量には影響を与えない程度の結果となり、雑草抑制効果が見られました!

○機械除草回数について

生産者が有機栽培において従来取り組む機械除草の回数が平均2.4回であったことに対し、アイガモロボを使用することで1.0回になりました。これは数値では58%減少となります!
さらに全36試験ほ場中、12ほ場(全体の33%)では機械除草回数が0回となっていました。

○水稲収量への影響
試験ほ場にて収量(精玄米重)を測定したところ、対照区(主に試験前年値)が平均386㎏/10aとことに対し、アイガモロボ試験区は424㎏/10aと増収いたしました。
とはいえ気象要因による年次変動があるので純粋に比較はできません。そこで各地域の作況指数で補正を行ったうえで、値を比較しました。
その結果、アイガモロボ導入によって収量は平均10%増加しました!

以上のことから、アイガモロボは除草労力を削減しつつも水稲の収量を確保する新たな雑草対策ツールとして有効であるといえます!

今後ともぜひアイガモロボのご活用よろしくお願いいたします。

本ページの内容は農研機構のHPにも記載されております。
ぜひご参照ください。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/warc/160389.html