狭幅トラクタで白ネギ機械化一貫体系やってみた
ISEKIで新しく登場した大規模向け白ネギ機械を使い、機械化一貫体系での栽培をやってみました。条間130~150㎝の広幅条間にできる圃場にオススメの機械をご紹介します。
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井関農機(株)
今回は、移植機に適したねぎの育苗についてのお話ですセルトレイ育苗、全自動移植機で移植できる苗作りについて詳しくご紹介していきます
※本記事は2020年5月15日、5月22日に井関農機㈱のHP(夢総研だより)に掲載された内容を転載・再編集しています。

こんにちは!夢総研ハウスチームです。
暖かい時期になり、色々な作物を作り始めた方も多いのではないでしょうか?
今回は、移植機に適したねぎの育苗についてのお話です
全自動移植機を使用する場合、セルトレイ育苗で苗を作っていきます。
ねぎをセルトレイで育苗すると、以下のようなメリットがあります!
そもそもセルトレイ育苗って何?どんな苗ならうまく移植できるの?
ねぎのセルトレイ育苗、全自動移植機で移植できる苗作りについて詳しくご紹介していきます
白ねぎは根深ねぎとも呼ばれ、文字通り 白い部分(軟白化した葉鞘部)が多いねぎのことを指しますが、この白い部分が多く、締まっているものが良品質の白ねぎとなります。
この白い部分は、白ネギの成長に合わせて土を被せることで伸ばすことができます。良品質の白ねぎを作るために、植溝に白ねぎ苗を植えることで土寄せが効果的に行える方法が広くとられており、この植溝堀りは管理機での作業が一般的ですが、大きな畑ではもっと効率的な作業が求められます。

まずは、播種のやり方と用いる資材について説明します!
全自動移植機に対応した苗を作るには200穴のセルトレイで育苗していきます。

① 土詰め
セルトレイ用の培土を詰めます。ねぎは育苗期間が長いので、キャベツ等に使用する通常のセル培土を使用するとすぐに肥料が切れてしまい追肥が必要になります。このため、ネギ用の培土を使用します。
(例:ヰセキねぎっこ培土など)
② かん水
セルトレイの底から水がにじむ程度、十分かん水します。(目安:1ℓ/箱)
③ 穴あけ
穴あけローラーで穴を開けます。3粒播種する場合、深めの播種穴が開けられるねぎ用ローラーの使用がおすすめです。
④ 播種
ねぎ用のハンドシーダー(ポットル)を用いて1穴に2~3粒種子を播きます。(2Lコート種子専用)
ねぎ用のハンドシーダーは粒数(2粒/3粒)をレバーで切り替えることができます。
⑤ 覆土
バーミキュライトを用いて覆土します。

この、播種に用いる資材ってどこで買えるの?? と思われるかもしれませんが、上で紹介しているものは全てヰセキで取り扱っています!
詳しくは最寄りの販売店までお問合せください。
播種した後は育苗管理!
でも、移植機に適した苗作りって、どうしたらいいの??
そこで早速、育苗のポイントをご紹介します。
セル苗を育てる時には浮かし育苗を行います! 根鉢の形成を良くするため、トレイの底が空気にさらされるように置いて育苗することでトレイ内で根が巻き、しっかりした根鉢が形成されます。

かん水は1日2~3回に分けて行い夕方、覆土の表面が乾く程度で管理していきます。


苗が伸びてきたら、葉切りを行います! 葉切りが遅れて苗が倒れると、苗が曲がり、機械での移植に適さない苗になってしまうので注意しましょう。



播種後、時期によりますが約45~60日程度で移植適期になります!
(3粒播種の場合、1本の太さが2~3mmが移植の目安です。)
では、移植機に適した苗ってどんな苗? 下の図でチェックしてみましょう!

苗作りの時気をつけたいのが【根鉢の乾き】です。
苗を手で引っ張った時にトレイが持ち上がる場合は、根鉢がトレイに張り付いており、スムーズに引き抜けない原因となります。
この場合は、移植の2~3日前からかん水量を増やして、根鉢の底まで水を浸透させましょう。

このような苗に気を付けつつ、全自動移植機での移植に向けて良い苗を育苗していきましょう。
移植機で植え付けるためにセル苗(セルトレイ育苗したねぎ苗)をつかいます。
移植機を使用したセル苗の植え付けは、大きなメリットがあります。
移植機の使用により大幅な作業時間と労力の削減がされることで、栽培面積を広げることも視野に入れることができる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、セルトレイ育苗したねぎ苗を移植機で植えていきましょう!
今回使用した機材
・ヰセキ 全自動ネギ移植機 1条植え PVD10-N
・白ねぎ苗 200穴セルトレイ育苗
植え付けには、1条植えの全自動ネギ移植機「PVD10-N」を使用します。
作業者は移植機の後ろからセルトレイを載せるだけでよく、移植機が自動で苗を抜き取り地面に植えてくれます。
作業者の植え付け中の作業はたったこれだけ!
前方のガイド輪が植溝の中に入ることで直進性を高め、機体の軌道修正もほとんど必要ありません。また、覆土輪センサーが植え付け深さを一定に保ちます。




植え付け深さがもたらすメリット
植え付け深さがそろうことで土寄せ時の作業効率を高め、ねぎの規格もそろい、品質向上につながります。
今後のねぎの生育や管理、土寄せ作業を補助するので、後工程のフォローもバッチリですね!