
狭幅トラクタで白ネギ機械化一貫体系やってみた

ISEKIで新しく登場した大規模向け白ネギ機械を使い、機械化一貫体系での栽培をやってみました。条間130~150㎝の広幅条間にできる圃場にオススメの機械をご紹介します。
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井関農機(株)
スイートコーンのセルトレイ育苗のポイントをご紹介いたします。「スイートコーンの育苗がうまくいかない・・」「全自動移植機で植えてみたいな」そんな方々の参考になれば幸いです。
スイートコーンのセルトレイ苗。すでに本サイトAmoniの記事にて、ヰセキの全自動野菜移植機PVZ100シリーズでスイートコーンのセルトレイ苗が植え付けられることをご紹介しておりました。
(植付についての記事はこちら)
今回の記事では、スイートコーンのセルトレイ育苗についてのご紹介をしていきます。
「スイートコーンの育苗がうまくいかない・・」「全自動移植機で植えてみたいな」そんな方々の参考になれば幸いです。
まず、スイートコーンのセルトレイ育苗では以下のポイントが重要になります。
十分な根鉢の形成
機械が苗を抜き取るので、根鉢がしっかりと形成された抜けやすい苗になっている必要があります。
適期での移植
スイートコーンの苗は移植のタイミングが重要です。老化苗の移植は生育不良につながります。
スムーズな発芽
スイートコーンの種子は栄養分が多く、発芽までに時間がかかると腐ることがあります。適切な加温を行い、スムーズに発芽されることを心掛けましょう。
以上3つのポイントをおさえて、育苗に臨みましょう!
まずは播種作業です!
とその前に、種子の調達においてもひとつポイントがあります。
スイートコーンは比較的発芽率が低めな作物であり、品種・年度によってもバラつきがありますので、種子購入時には発芽率をよく確認して購入をしましょう。
種子を購入したら、播種作業。
播種作業の基本の流れは一般的なセルトレイ播種と同様になりますが、スイートコーンならではのポイントがいくつかあります。
〇播種穴は深めに
スイートコーンは発芽時に種子が持ち上がりやすい特徴があります。
ねぎ用の深穴ローラーを使用すると種がしっかり沈み込み、浮き苗を減らすことができますのでオススメです。通常の穴あけローラーを使用する場合は播種後に指またはプレス板で種を押し込んで種が浮かないようにしましょう。
〇種を入れる向きに注意
スイートコーンの種子は三角錐の形をしており、その頂点から根が出ます。頂点が上向きになると根が土表面から飛び出し、根渡りを起こしてしまうことがあるため、三角錐の頂点を下向きにして播種しましょう。
上記のポイントをおさえて播種を行いましょう。
セルトレイ播種の全体の流れについてはこちらの手引きもご確認ください。
スイートコーンの発芽適温は28~30℃です。
冒頭でも述べました通り、スイートコーンの種子は栄養分が豊富であるため、発芽が遅れると種子が腐敗してしまう場合があります。
低温期には加温を行いスムーズに発芽させることを心掛けましょう。
設定温度を30℃程度にします。発芽機を用いると、外気温に関わらず効率の良い発芽管理を行うことができ、発芽率も安定します。
温床線の設定温度も30℃程度にします。
下図の設置例のように温床線を設置し、セルトレイを直置きします。
加温を行い、土の表面から少し芽が見えたらトレイをハウスに並べしましょう。
茨城県つくばみらい市にあるISEKI夢ある農業総合研究所にて、2月中旬ごろ、加温なしのスイートコーン育苗にチャレンジしてみました。
【方法】
・角材の上にトレイを並べ、シルバーシートをかけます。
・保温のためにトンネル被覆を行い、さらにハウスを閉めます。
【6~7日後に発芽しました!】
発芽期間中のトンネル内最高温度は32℃、最低気温は-4℃。
何品種か播いたのですが、発芽率(1枚のセルトレイあたり)は62~83%となりました。
品種ごとの発芽率は次の通りです。
品種 | 発芽率 (%) |
---|---|
キャンベラ86 | 79 |
ゴールドラッシュ | 62 |
わくわくコーン | 79 |
キャンベラ86 (発芽機使用) | 95 |
発芽機に入れたトレイの発芽率は95%となり、さすがに発芽機にはかないませんでしたが、8割を超える品種もあったことから加温設備の設置が難しい場合はこのような方法でも発芽可能なことが分かりました。
ただし、品種によっては6割程度の発芽のものもあり、加温しない場合には種子自体の発芽率に注意する必要がありそうです。
発芽が確認出来たらトレイをハウス内で隙間なく並べます。
ここで、育苗管理におけるポイントをご紹介いたします。
全自動移植機で苗を移植する場合、根鉢の形成が重要となります。根鉢の形成をよくするため、トレイの底は空気にさらされるようにしましょう。
先にも述べましたがスイートコーンは品種によって発芽率が悪い場合があります。
(品種によっては60%程度の場合もあり)
発芽しなかったところは圃場でそのまま欠株になってしまいますので補植を行いましょう。
補植は苗の根鉢が形成され、植替えが可能になった頃に行います。
欠株箇所の土をかき出して、補植用のトレイから苗を抜き取り欠株箇所に差し替えます。
上記の方法では、欠株箇所の土を出すのに時間がかかりますので、欠株が多いトレイは、新たなトレイに苗を挿し直していくのが効率的です。
スイートコーンは育苗時期・条件によっても異なりますが播種から14日前後で移植適期となります。
機械移植に適した苗は次のような苗です。
ここで、移植についてのポイントです。
スイートコーンは苗が老化すると移植後、生育不良が起きやすいです。適期での移植を心がけましょう。
また、初春のトンネル栽培などで外気温が低い場合は、移植3~5日前から外気に順化させましょう。
スイートコーンは根巻きが少ない作物のため、二本爪オプションを使用するとより引き抜きが安定し、植付精度を向上させることができます。
以上のようにスイートコーンならではのポイントをおさえれば、全自動移植機で植付できる良いセルトレイ苗に育てることができます。
あなたもスイートコーンのセルトレイ育苗にトライしてみませんか?
スイートコーン育苗についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの育苗手引きをご覧ください。