
規模拡大に乾田直播という選択、アリです

近年引き受ける田んぼが増えて、育苗設備不足や、人手不足になっていませんか?
こういった困りごとを解決できる栽培法、「乾田直播」についてご紹介します。
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井関農機(株)
点播で播けて播種同時施肥も可能!高速作業で低燃費!耕起した条件のみでなく不耕起条件にも適用しているすごい作業機の登場です。
※本記事は2019年5月23日に井関農機㈱のHP(夢総研だより)に掲載された内容を転載・再編集しています。
こんにちは、夢総研です!
晴れ間を狙い、茨城県つくばみらい市で高速汎用播種機を使用した乾田点播をおこないました。
作業は1ha区画を56分で完了! ということは・・・5~6分/10a!
・・・めっちゃはやい!!
今回の作業は「播種+施肥(遅効性)」で、事前作業として粗耕起(スタブルカルチ)、砕土(パワーハロー)、均平(レーザーレベラー)、施肥(ブロードキャスター)基肥を行っています。
使用機械
これまでの一般的な乾田直播といえば、条播ですよね。ですが、今回の播種機は点播が可能です。
播種量: 乾籾5kg/10a
条 間: 30cm
株 間: 22cm(50株相当)
条 数: 8条
点播は株を形成しますので倒伏に強くなりますし、風通しがよいから苗の生育もよくなりますよね。株間の調整はスプロケット交換で6段階。株間はこれまでの湛水直播での実証結果から50株相当を選択しました。
昨年は倒伏しやすいコシヒカリで、今回と同様の作業機を使用し目立った倒伏もなく9俵/反の収量を確保できました。点播にこだわりたい方にはぜひ使ってほしい作業機です!
施肥位置は、表面施肥と播種溝施肥を選べます。今回は、播種溝施肥としましたので、肥やけしないよう被覆のみのものを選択してます。V溝直播と同じ考え方ですね。60日タイプ+100日タイプのブレンドを使用してます。
苗立ち後の1ヶ月の養分は播種前の全層施肥で補いました。
肥料の繰り出しは車速連動モーター方式。キャビン内の専用コントローラからの調整できます。車速連動なので、高精度な施肥が可能です。
ホッパーが大きく種子・肥料ともに1町区画を補給なしで作業完了できました。
8条なら種子・・15L×8、肥料・・160L×2です。
6条なら種子・・15L×6、肥料・・140L×2です。
播種の繰り出しは接地輪駆動方式。播種量は夢総研では湛水直播で3~4kg、乾田直播で5~6kgを目安にしてます。
今回は実測5kg/10aの播種量となりました。株あたり11粒程度の調整となります。
鎮圧輪で播種直後をしっかりと鎮圧しますので、別途鎮圧作業を行う必要がありません。この点は魅力的ですね! 鎮圧輪もドロがつきにくい仕様! 土が少々湿っていてもこれなら安心、まちがいないですね。晴れ間を狙って、強気の播種作業!
TJV755は、ISEKIアグリサポート標準対応のトラクタです。タブレット端末(スマホでも可)にアプリをダウンロードし、トラクタとBluetooth通信させることで、作業記録を残すことができます。また、営農管理システム『アグリノート』と連携すれば、ブラウザ上で圃場ごとのデータ管理が可能です。
今回も、タブレットに蓄積した作業データを、作業後ネット環境化でアグリノートに連携させ、圃場ごと・作業ごとに記録が残すことができます。
これによると
作業時間・・・56分 →1haだから →5~6/10a
消費燃料・・・4.44L →56分だから →4.8L/h
車速・・・・・直線で10~11km/h
うん、低燃費で早い! 点播でこんなに早いなんて・・・すごい作業機がでてきましたね!
アグリノートに農機の作業情報を連携することで、能率がはっきりして作業機の良さが改めて実感できました。
作業軌跡が残せるのも、ISEKIアグリサポート×アグリノート連携ならでは!
乾田直播独特の、外周から終わらせる軌跡がしっかり確認できました。オペレータごとの作業速度と、エンジン回転が明らかになり、後輩の指導にも使えそうです。
今回は耕起した条件で播種しましたが、この作業機は不耕起条件に適用している点も魅力です。また、米の他にも麦・大豆・デントコーン・ソルガムなど品目をまたいで汎用的に利用できます。条間が30cmで固定である点は、品目を選ぶ上で注意したいですね。
播種機に関する詳細はアグリテクノサーチHPをご参考ください