
狭幅トラクタで白ネギ機械化一貫体系やってみた

ISEKIで新しく登場した大規模向け白ネギ機械を使い、機械化一貫体系での栽培をやってみました。条間130~150㎝の広幅条間にできる圃場にオススメの機械をご紹介します。
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井関農機(株)
工事不要、電源不要でカンタン設置できる環境モニタリング装置「ハウスファーモ」を野菜のセル育苗に活用できるか試してみました。
ハウスファーモは工事不要、電源不要で簡単に設置できる、ハウス内の環境モニタリング装置です。
一般的には、イチゴなどハウスで栽培する果菜類で多く用いられていますが、最近、水稲の育苗に使ってみたいなどの問い合わせも増えてきています。そこで、これから育苗が本格化するキャベツのセル苗育苗にハウスファーモを使ってみました。
セル育苗でハウスファーモを用いるメリットは果菜類で使用するのと同様、①ハウス環境の見える化、②プッシュ通知機能による異常時の通知がありますが、今回はそれ以外として、地中湿度センサーの活用について検証したいと思います。
果菜類でのハウスファーモ使用の詳細は、「ハウスファーモを実際に使ってみた!」を参照ください。(※こちらの記事は旧型機のため、現行機と仕様等が若干異なります)
また、あわせて夢総研でのキャベツのセル育苗の様子も紹介したいと思います。
<キャベツの播種概要>
発芽管理(2日間)後、6/6朝にハウスのベンチに並べ、ハウスファーモ(Fタイプ)を設置しました。
ハウスに出してからのかん水は自動かん水装置を使用
(初期は8時と13時にかん水するようタイマー設定)
地中湿度センサーを写真のようにセルに差してみました。(128穴トレイでギリギリ)
メーカーによると地中湿度センサーはセンサー全体を土に埋めなければ正確な値が測定できないということですが、セルトレイでは全体は入らないので、とりあえずこの状態でどんなデータが取れるかみることにします。
地中湿度のデータは以下のような感じです。
センサーが正しく挿入されていないので、測定値が正しいかは疑問が残るところですが、自動かん水装置が動いた時間には値が上がっており、遠隔地からでも自動かん水装置が正常に動いているかの確認には使えそうです。
自動かん水装置は便利ですが、予想外の事態などで止まっていることもあります。
特にこれからの時期は1日かん水装置が止まると苗が全滅してしまう場合もあり、ハウス担当者としてはハウスに行けない時、正常にかん水しているか心配ですがハウスファーモの地中湿度センサーを用いると、かん水装置が動いたことを確認でき心配事が減りそうです。
子葉が展開し1葉目が少し出てきました。この時期に発芽しなかったところや奇形株は補植しました。(発芽率は約98%でした)
今日は10時過ぎにハウスに苗を見に行った際、少し乾いていたので、手でかん水を行いましたが、地中湿度の記録にはしっかり反映されていました。
本葉2枚目が展開中です。この時期くらいから1回目の追肥を行いますが、まだ葉色は濃く、今週の土日は天気もよくないようなので、もう少し様子を見ることにします。
本葉2枚目が展開し、3葉目が出てきました。葉色が少し淡くなってきたので追肥を行いました。
3葉目が展開し、根鉢も形成して十分引抜可能になったので苗完成です。
梅雨期間の育苗を想定していましたが、今年はあまり雨も降らず条件は良かったので、徒長もせず、まずますの苗が育苗できました。
PCから最大14日間の各測定項目のデータを見ることができます(6/10~6/24)。日射量をみると、梅雨の季節ですが比較的晴れの日が多かったことがデータからもわかります。
また、データはcvs形式でダウンロードできるので期間中の平均値などを計算してみました。
気温(℃) | 地中温度(℃) | 湿度(%) | CO2(ppm) | 地中湿度(%) | |
---|---|---|---|---|---|
平均 | 23.3 | 23.1 | 73.4 | 438.8 | 67 |
最高 | 38 | 39 | 99 | 744 | 93 |
最低 | 15 | 15 | 21 | 342 | 54 |
平均 | 最高 | 最低 | |
---|---|---|---|
気温 (℃) | 23.3 | 38 | 15 |
地中温度 (℃) | 23.1 | 39 | 15 |
湿度 (%) | 73.4 | 99 | 21 |
CO2 (ppm) | 438.8 | 744 | 342 |
地中湿度 (%) | 67 | 93 | 54 |
このようにデータを蓄積していくことができるので、今後の育苗管理の参考にしてくことができます。
今回、ハウスファーモの地中湿度センサーを野菜のセル育苗に活用できるか検証しました。
センサーを正しく設置はできないので、測定値の精度については課題がありますが、測定値を見てみると、セル内の水分状態を反映しているようなので、かん水装置が正常に動いているかなど、遠隔地からおおまかなセル内の水分を確認することには使えそうな結果が得られました。