大豆で有機栽培の実践

ヰセキは農業機械・肥料・培土の提案を通じ有機栽培をフルサポートしています。大豆の有機栽培で使用する機械や資材を紹介します。

ヰセキは、農業機械や培土、肥料などの提案を通じ有機栽培を総合的にサポートしています。今回社内ほ場で、水稲との輪作相手になる「大豆」を有機・環境保全型農業で栽培しました。大豆でも水稲同様に有機栽培を総合的にサポートいたします!

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大豆の有機栽培体系 ワンポイント

有機大豆栽培の機械化体系は、慣行大豆栽培の機械化体系と同様です。肥料は、有機JASに適合した肥料が必要です。化学農薬を原則使用できないため、雑草や病害虫防除については、草刈や湿害対策など耕種的・物理的な予防措置が主になります。

施肥

有機栽培では有機JASに適合した有機肥料を使用します。ヰセキでは有機肥料に強みのあるイノチオプラントケア株式会社の有機肥料を取り扱っています。初めて有機肥料を使う方でも、土壌診断に基づいた施肥設計サービスもあるため安心して施肥できます。また、イノチオプラントケア株式会社の有機肥料は粒状に成形されており機械散布が容易です。

※地域によってはイノチオプラントケア株式会社肥料取り扱いが無い場合があります。最寄りヰセキ販売店にお問い合わせください

使用した肥料(イノチオプラントケア社製)
肥料の種類成分 %
ブラドミン-Lα有機質ボカシ肥料ペレットN:P:K =7:3:2
リンサングアノ(粒状)有機質リン、アルカリ肥料P=27 アルカリ=37
パームアッシュ有機質カリ肥料K=30 Mg=3
乳酸卵殻有機質石灰分肥料Ca=40

播種

有機栽培では播種時期を6月中旬以降などにして、遅まきが適しています。遅まきにすることで雑草や害虫被害にあう時期を短くすることでリスク低減します。一方で、大豆は短日植物のため極端な遅まきは収量低下にあう可能性があり、7月内に播種を終えます。
近年高温のため土壌が乾きすぎで発芽不良の問題があります。耕耘から日が空いてしまうと土壌水分低下につながりやすく注意が必要です。

湿害に強いうねたて同時播種
高速畝立てディスク
スタンダードなロータリ播種
大規模で効率の良い汎用播種機

雑草対策

除草剤を低減する栽培の際は、雑草に対しては機械除草を行うか、密植にして雑草に対応します。狭畦密植栽培では機械除草が原則できません。雑草の後発が考えられる時は、機械除草が行える60~80cm条間体系がおすすめです。

中耕除草機(乗用管理機JKZ+エコ草取り君H3-200)はみどり投資促進税制の対象機として登録されています。みどり投資促進税制は、国の「みどりの食料システム戦略」に基づき、化学肥料や化学農薬の使用を低減する設備や資材を導入した場合に、導入初年度税負担を軽減できる制度です(法人税・所得税の特別償却)。詳しくはこちらの記事を参照ください。

病害虫防除

有機栽培の場合、基本的には化学農薬を使用できないため、発生した病害虫を駆除することが難しいです。病害虫の住処になる畦畔部の草刈をしておくなど病害虫の密度が高くならないように前もって対策をとります。大豆では色彩選別機により被害粒を除去することができます。

予防
畦際の雑草処理
判断
ほ場の見回り、予察情報の活用
防除
繁茂前に雑草防除

また、農薬を適正に使用することと合わせて草刈や予察情報の活用など様々な方策で防除を行い、病害虫や雑草の発生を経済的な被害が生じるレベル以下に抑制する手法を総合防除と言います。農薬量を適正化し環境負荷低減につながる技術です。詳しくは農林水産省HPよりご確認ください。

大豆の有機栽培を実践

土づくり

大豆は根に共生する根粒菌により大気中の窒素を取り込み(窒素固定)生育しています。大豆が吸収する窒素分は根粒菌による窒素固定が6~8割、残りは地力窒素(土壌中の有機態窒素・無機態窒素)を吸収しています。過剰な施肥は根粒菌を傷める原因となるため、①適切な施肥や②有機質の投入を重視して土づくりに取り組みました。

①適切な施肥…土壌診断に基づき施肥
②有機質の投入…緑肥をすきこみ

実際の施肥量は土壌診断に基づき下記の通り行いました。N:P:K=3.5:11.9:12.7(㎏/10a)

施肥量 ㎏/10a
ブラドミンLα35
リンサングアノ40
パームアッシュ40
乳酸卵殻100

播種~管理

播種は7月下旬に実施しました。大豆は湿害だけでなく干ばつにも弱く、発芽不良や生育不良につながります。入水が行えるようポンプの準備をしました。
播種体系は条間70cm、播種量は5.5㎏/10aとしました。ほ場が30aのため取り回しを重視し、ロータリで播種を行いました。

雑草対策は乗用管理機JKZ23と中耕除草機H3-200を使用しました。高温によりほ場が干ばつ気味のため、大豆へのダメージを考慮し中耕培土は1回のみとしました。

収穫

ISEKIほ場(茨城県)での2024年、2025年の2作分の収量をまとめました。有機栽培では慣行栽培に比べ収量が1~2割少なくなると言われていますが、坪刈収量では2024年作:200㎏/10a、2025年作:300㎏/10aをクリアし慣行栽培と遜色無く生育しました。

8月中旬
9月中旬
11月中旬

執筆者

井関農機(株)

井関農機(株)

農業機械の開発、製造、販売を行う農業機械総合専業メーカー。1926年創立以来、農業の機械化・近代化に貢献。魅力ある「農業=儲かる農業」の実現に向け「ハード(農業機械)」と「ソフト(営農技術)」の両面からお客さまの営農スタイルに合ったベストソリューションの提供に取り組んでいる。

執筆者

井関農機(株)

井関農機(株)

農業機械の開発、製造、販売を行う農業機械総合専業メーカー。1926年創立以来、農業の機械化・近代化に貢献。魅力ある「農業=儲かる農業」の実現に向け「ハード(農業機械)」と「ソフト(営農技術)」の両面からお客さまの営農スタイルに合ったベストソリューションの提供に取り組んでいる。