トラクタでマップ連動可変施肥!畑作物でも可変施肥ができます。
大豆作で可変施肥を使い、生育均一化・施肥量適正化の両立にチャレンジしました。マップ連動可変施肥はスケールメリットが得られる技術です。新たに農地を取得した際など、ほ場のポテンシャルをデータで取得できるマップ連動可変施肥で、効率的な営農につながります。
- スマート農業
- 大豆
- ブロードキャスター
井関農機(株)
富山県砺波市で水稲(品種:コシヒカリ)を中心に栽培を行うAさん。マップデータ連動可変施肥田植機(PRJ8-FS)の実証を2年間連続して行い、圃場に合わせた最適な施肥量を追求してみました!
富山県砺波市で水稲(品種:コシヒカリ)を中心に栽培を行うAさん。
マップデータ連動可変施肥田植機(PRJ8-FS)の実証を2年間連続して行い、圃場に合わせた最適な施肥量を追求してみました。マップデータ連動可変施肥田植機の詳細はコチラ
1年目は今まで通りの設計で行う慣行区と比較して、可変施肥しつつ10%減肥を行った試験区を設定し実証を行いました。
その結果――――
減肥をしたにもかかわらず、収量や品質は同程度を確保できることを確認いたしました!
そして、迎えた2年目には「収量にこだわりたい!」と目標を定め、増肥を行ってみることにしました。
| 施肥量 | 可変施肥 | |
| 慣行区 | 35㎏/10a | なし |
| 試験区① | 35㎏/10a | あり |
| 試験区② | 38.5㎏/10a(+10%) | あり |
可変施肥に加えて10%増肥を行った区を設計し、今まで通りの設計で行う慣行区および施肥量は据え置きのまま可変施肥を行った区と比較し、最適な施肥設計を確認してみます。
可変施肥を行うのに必要な施肥マップ。作成に使用したのはザルビオⓇ フィールドマネージャーでした。
ザルビオⓇ フィールドマネージャーとは
AIによる解析を通じた生育予測、施肥・防除、収穫適期などの的確な予測が可能であり、生産性を向上させる栽培管理支援システムです。人工衛星によるセンシングデータから生育量などを診断し、田植機と連携可能な可変施肥マップデータを作成することができます。
ザルビオの地力マップをヰセキの田植機(PRJ8-FS)に読込み、次の施肥計画MAPを作成しました

赤く塗られた部分が地力の低いエリア、青い部分が地力の高いエリアとなっています。
今回は地力の低いエリア(赤色)には多く肥料を播き、地力の高いエリア(青色)は肥料を抑えることで生育ムラや倒伏を軽減しつつも、全体の施肥量を増やすことで増収を狙います。
施肥量は例年通りだと35kg/10a。増肥区で10%増の38.5kg/10aにしました。
可変施肥は±15%の範囲で自動的に施肥量を調整する設定となっています。
施肥マップを作成できましたら、早速田植作業に入ります。
ISEKIの純正アプリ「アグリサポート」から施肥マップを読み込み、田植機にデータ連携します。

あとは普通に田植作業をするだけでOKです。
連携した施肥マップに基づいて田植機が自動的に施肥量を調整してくれます。
肥料が実際にどのくらい播けたかは実績MAPといった形で確認することができます(下図参照)。

実際の施肥量の分布も施肥マップと同様になっており、無事に可変施肥が行えました!

増肥区も同様に可変施肥を行いました。全体的に施肥量が10%ほど多い設定となっております。

慣行区は均一施肥なので一色に表示されております。
では調査結果を見ていきましょう!

.png)


試験区①~②(可変施肥区)は慣行区を比較するとムラが少なく、値も高いことが分かります。

-1.png)


可変を行っていない慣行区では分かりやすく地力差に応じた値の結果になりました。
一方で可変を行った試験区ではムラが発生せずに茎数を確保できております。

-2.png)


葉色の値は試験区と慣行区共にムラはありませんでした。
一方で可変施肥を行った試験区では葉色の平均値が高まっており、効率的な肥効が感じられます。
いよいよ収穫のシーズンとなり、坪刈りでの調査を行いました。
サンプルを弊社の夢ある農業総合研究所にて分析を行った結果が以下の通りです。
| 反当り収量(慣行比) | 整粒率 | 食味スコア | |
| 慣行区 | 501㎏/10a(±0%) | 76.1% | 76 |
| 試験区① | 634㎏/10a(+26.5%) | 76.0% | 74 |
| 試験区②(増肥) | 608㎏/10a(+21.3%) | 77.7% | 75 |
可変施肥を行った区で大幅な増収が確認できました!
2025年も大変猛暑ではありましたが、適切な管理もしてくださったこともあり整粒率や食味は全区を通じて高い値となりました。
ここで2年間の総まとめをしてみましょう!
以下が2025年のまとめの結果となります。
| 面積 | 施肥量 | 生育のムラ※ | 反当り収量 | |
| 慣行区 | 41.4a | 35㎏/10a | 有意差あり | 501㎏/10a |
| 試験区① | 46.4a | 35㎏/10a | 有意差あり | 621㎏/10a |
| 試験区② | 48.3a | 38.5㎏/10a | 有意差なし | 608㎏/10a |
残念ながら増肥による収量の増加は今回は見込めませんでしたが、増肥を行うことで生育ムラの軽減には成功いたしました。
そして、2024年では10%減肥しつつ可変施肥を実施すると慣行区と概ね同様の結果であることが分かっております。
よって、今回のほ場では現状の施肥量のまま可変施肥を行うことが最適な施肥設計と言えそうです。
一方で増肥を行うことで生育ムラが改善していた要因を分析すると、試験区①に比べて試験区②は地力が低い地点の生育や収量の向上が見られました。

-1.png)
今回の可変施肥は±15%の範囲で施肥量を調整しておりますので、施肥量35㎏/10aですと低地力地点では約38㎏/10aの施肥量になります。
そして、こちらのほ場の低地力地点では38㎏/10aの施肥量では足りていないのではないかと想定できます。
そのため、増肥した試験区②では低地力地点もより増肥され、生育ムラの解消につながったと思われます。
したがって、これらのことから今回のほ場では以下の設定が効果的であることが分かりました!
以上、いかがだったでしょうか?
少し難しいように感じることもありますが、可変施肥はあなたの日常の施肥設計に新しい可能性を見出せるかもしれません。
気になった方はぜひISEKIまでお気軽にお問い合わせくださいませ!