実証
2021.08.30
「納豆菌の力」をジャガイモに使ってみた!
手間をかけずに土壌環境改善できる微生物資材の「納豆菌の力」をジャガイモに使ってみました。
- 概要テーマ登録日2021.08.26「納豆菌の力」をジャガイモに使ってみた!
- レポート1最終更新日2021.03.18試験方法
- レポート2最終更新日2021.03.18移植(3/18)
- レポート3最終更新日2021.05.10生育途中の様子(5/10)
- レポート4最終更新日2021.06.11いよいよ収穫(6/11) そうか病が...
- レポート5最終更新日2021.06.11調査結果発表! 納豆菌の力処理区はそうか病の発生が少ない?
- レポート6最終更新日2021.06.11収量調査結果
テーマ登録日2021.08.26
「納豆菌の力」をジャガイモに使ってみた!
「納豆菌の力」は、枯草菌(納豆菌は枯草菌の一種)を数種類ブレンドした微生物資材です。納豆菌の力を施用することで、ワラなどの大きな有機物を最初に分解してくれる菌が増え、全体の微生物が増加し、作物を育てやすい土へ改善する効果があります。
夢総研では、「納豆菌の力」を様々な作物に使用し、効果の実証を行っています。
ジャガイモへの納豆菌の力の効果は昨年から実証試験を行っており、
①地上部の生育促進
②イモ個数の増加
などの効果がみられたので、今年も再現性が確認できるか再度チャレンジしてみました。
最終更新日2021.03.18
試験方法
「納豆菌の力」は土壌散布、苗散布、移植機のかん水装置での散布など様々な方法で施用することができますが、ジャガイモについては、
①種芋の浸漬処理
②移植機のかん水装置での散布
の2つの処理方法で試験してみました。
<処理方法の概要>
①種芋の浸漬処理
納豆菌の力200倍希釈液に30分漬け込みました。
②移植機のかん水装置での散布
ジャガイモ用の半自動移植機(PVH100-60JX)は本来、かん水装置は付いていませんが、テスト用に少し改造してかん水装置とかん水タンクを取付けました。
かん水タンクに納豆菌の力の希釈液を入れることにより、移植同時灌注処理が可能になります。
納豆菌の力を畑作に用いる場合の標準散布量は500cc/10a(原液)で、移植機のかん水量は約30ml/株なので、
納豆期の力の希釈倍率を250倍にしました。
最終更新日2021.03.18
移植(3/18)
準備も整ったので、移植を行いました。
<耕種概要>
移植日:2021年3月18日
品種:男爵
畦体系:畦高さ:30cm、畦裾幅:45cm、条間:85cm、株間:30cm
最終更新日2021.05.10
生育途中の様子(5/10)
移植後53日目の様子です。
順調に生育していますが、地上部の生育については試験区間で大きな差はない感じです。
最終更新日2021.06.11
いよいよ収穫(6/11) そうか病が...
地上部も枯れてきて、いよいよ収穫時期になりました。
まず、無処理区から収穫しましたが、なんかイモの表面にかさぶたのようなアザが....これはそうか病の被害が出ているようです。
実を言うと今回、昨秋ジャガイモを栽培した圃場に間違えて肥料散布してしまったため、連作になったことで、そうか病が発生したのかもしれません。(そうか病対策の薬剤は散布しませんでした)
残念な気持ちで収穫作業を続け、納豆菌の力処理区の収穫も行っていたところ、一緒に作業していた人から、「納豆菌区はなんかそうか病が少ない気がする」という言葉が。
確かに納豆菌の力処理区は綺麗なイモが多く、そうか病の発生が少ない感じがする!ということで、急遽、そうか病の発生率の調査をしてみました。
最終更新日2021.06.11
調査結果発表! 納豆菌の力処理区はそうか病の発生が少ない?
各区、収穫したイモ10kg分、2セットサンプリングし、病斑のあるイモを数え発病率を調査しました。
やはり無処理区の発生が多く、発病率が20.2%でした。
それに対し、納豆菌の力処理区は、浸漬処理区1.3%、移植機灌水処理区2.8%と納豆菌の力を処理した試験区は大幅にそうか病の発生率が低い結果が得られました。
我々は病害の専門家ではなく、また、つくばみらい市にある夢総研の圃場だけの結果ですので、納豆菌の力を処理した場合における、そうか病に対する効果の科学的な評価はできませんが、納豆菌の力を施用することにより、ジャガイモの周囲の土壌微生物の生態系が改善され、その結果、そうか病の発生が抑制されたのかもしれません。
いずれにしろ、ジャガイモ栽培で大きな問題となっている、そうか病の発生抑制に効果がある可能性が示唆されましたので、今後、専門家の方に科学的な評価をお願いできないかなど検討したいと考えています。
これから秋植えのジャガイモのシーズンが始まりますので、興味がある方は是非問い合わせください。
最終更新日2021.06.11
収量調査結果
納豆菌の力施用区はやや増収になりました。(無処理区に対し、浸漬処理区107.4%、移植機灌水処理区111.7%)
階級をみてみると、L以上の大きいイモの割合が少し増えている感じです。
こちらも、納豆菌の力を施用することにより、土壌環境が改善され生育が促進したのかもしれません。