「納豆菌の力」効果アリ!かんしょ編
微生物資材「納豆菌の力」を使用することで、微生物の力が土壌や作物に広がり、生育が健全になります。かんしょでの使用事例を紹介していきます。
「納豆菌の力」について
「納豆菌の力」(APコーポレーション社)とは、土壌微生物のバランスを短期間で整え、作物を育てやすい土へと改善する、微生物土壌活性材です。
近年多発している異常気象などの環境変化に対応でき、品質の良い作物を育てるために、土壌微生物の改善が再認識されています。生物性の改善には、有機物の投入を長期にわたり行う方法が一般的で効果が出るのに時間がかかりますが、「納豆菌の力」を使えば、短期間で土壌微生物のバランスを整えてくれます。


納豆菌は枯草菌と呼ばれる細菌の一種です。土壌中に生息する菌の中でも最初に有機物の分解に働く菌で、食物連鎖ピラミッドの一番下の位置にあたります。
「納豆菌の力」とは、そんな枯草菌を数種類ブレンドしたものです。納豆菌の力の施用によってワラなどの大きな有機物を分解してくれる菌が増え、全体の微生物が増加することで良質な土作りに貢献します。そうして有機物の分解が促進されると、作物に必要な栄養分が補給されます。
また、「納豆菌の力」に含まれている枯草菌は発根促進物質を供給するため、根はりが良くなる環境を作り出します。さらに、土壌微生物の種類や数の増加によって拮抗作用が働き、病原菌が働きにくい環境に変化させてくれるのです。
納豆菌の力での過去の実証は↓記事をチェック!
「かんしょ」の生育が良くなった!
茨城県境町でかんしょ栽培を営む木村さんを訪ねました。4年ほど前に、たばこ栽培から転換してかんしょ栽培を始めたとのことでした。かんしょ栽培をはじめてからまもなく「納豆菌の力」と出会い一部の圃場で納豆菌の力を使いはじめました。

木村さん「納豆菌の力を使うことで生育が良くなる。具体的にはいもの形やサイズが向上している。納豆菌の力をかけるのとかけないのでは、全然生育が違ってくる。根はりも向上しているのでは?」
圃場からサンプリングさせてもらい収量を計測してみました。収量は3.2t/10aでした。木村さんによると、例年2.5t/10aが収穫量として基準になってくるので、納豆菌の力により収量が向上している!と実感しているそうです。
また、木村さんは自家製の堆肥を圃場に施用しており、土づくりを重要視していました。納豆菌の力は微生物を含んでいます。そのため、有機物施用を行い微生物の活性が良くなるような土づくりを行うことで、納豆菌の力の効果がよく現れていると考えられます。
□栽培情報
納豆菌の力施用方法…200倍希釈し、定植時に株元散布
定植時期…5月上旬
収穫時期…9月下旬
かんしょ品種…べにはるか
かんしょ移植機で納豆菌の力施用も、楽楽!
ヰセキでは歩行型かんしょ移植機を2機種ラインナップしています。
PVH103-70PBXLD…船底植え
PVH103-70PSBXLD…斜め植え
かん水装置を標準装備しており、植付と同時にホッパから株元へかん水することができます。かん水装置のタンクに液体タイプの納豆菌の力を入れることで、簡単に施用することができます。
ヰセキかんしょ移植機


納豆菌の力の使い方
10aあたり、「納豆菌の力」500mlを水に希釈して使用します。
栽植密度が4000本/10a、苗1本あたりのかん水量が20mlの場合、10aあたり使用する水は80Lになります。水80Lに対して納豆菌の力を500mLを混合して使用します。
| 株間 ㎝ | 条間 ㎝ | 栽植密度 本/10a | かん水量 ml/本 | 水使用量 L/10a | 希釈倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 25 | 100 | 4000 | 20 | 80 | 160倍 |
| 30 | 100 | 3333 | 20 | 66 | 130倍 |
| 35 | 100 | 2860 | 20 | 57 | 115倍 |
| 40 | 100 | 2500 | 20 | 50 | 100倍 |